タイトル: コロナウイルスとオランダの暴動
著者名: Peter Gelderloos
ソース: https://note.com/bakuto_morikawa/n/n6e60c1ddbf3b(2024年4月28日検索)

オランダの暴動・コロナ暴動に対するアナキストの立場・社会闘争の当事者意識を極右に与えていることについて。数日前、オランダの極右グループは、他の国で生じているのと同じように、ロックダウン反対行動を組織した。中には、衝突と器物破壊を行った者もいた。その後数日間、衝突は増え、人種差別的になり、幾つかの大都市では移民青年達が暴動と略奪を行った。私が後者を支持するメッセージを書くと、数多くの人が抗議を示した。移民青年を、明らかに、排外主義政党の手先だとか、全くの右翼的現象の中にいる的外れな要素だとか見なしていたのだ。

滅多に言及されないが、他の場所同様、オランダで急進的になった人々にも行為主体性があり、彼等が暴動と略奪を行う理由は数多くある。しかし、左翼は彼等を手先やスケープゴートだと描きがちだ。(リンク:https://socialisme.nu/fascisten-organiseren-rellen-geven-migrantenjongeren-de-schuld)例えば、最近、オランダ政府と社会サービスが、給付金を求める数千人(大部分が移民や二重国籍の家族)を攻撃して罰していた給付金スキャンダル(toeslagenaffaire)がある。確かに、そのほとんどが人種差別の文脈で行われていた。私は左翼がこのことについて話しているのを見たことがない。

歴史的問題として、白人急進主義者は、急進的になった人々との共闘に関心があるというよりも、極右に対抗することに執着している。後者の場合、英雄になれるが、前者の場合には安全地帯を離れねばならない。

「ステイホーム」と翻訳される政治には重大な問題がある。極右がいち早く抗議行動を呼びかけていたため、多民族の暴動は掻き消されてしまう。極右政治家が移民の暴徒に対して軍を送り込むよう呼びかけているから街頭に出ないのだ。

歴史は示している。右翼に社会闘争を独占させるのは決して良い考えではない。ウクライナのことを既に忘れてしまったのか?これが私達をコロナ暴動の問題に導く。

右翼が政府のパンデミック対応に対して唯一行動できる勢力だとすれば大問題だ。奴等は危険な陰謀論に基づいて行動している。私達は、相互扶助に、そして緊縮政策ネクロポリティクスの批判に基づいて行動しなければならない。パンデミックが猛威を振るう中、民衆は、なおも立ち退きを強いられたり、不安定で危険な仕事を強いられたり、失業し続けたりている。これを可視化するのだ。右翼がロックダウンに反対して動員し始めても、この分野を奴等に明け渡すなど「できない」。街頭から奴等を叩き出し、不安定さと人種差別に対して戦っている人々と肩を並べ、資本主義がいかに私達を見殺しにしているのか、ロックダウンを作り出して貧者と不法滞在者に最も大きな負担をかけているのかについて独自の批判を広めなければならない。

少し前、バルセロナなどの場所で略奪があった。当初の抗議行動を呼び掛けたのが右翼だったため、大多数のアナキストは支持しなかった。身を引いていたところで何も得るものはない。右翼を無視するのではなく、奴等の発言の機会を奪い、社会対立の断層を定義できないようにしなければならない。確実に、最も不安定な人々が弾圧に直面したままにさせてはならないのだ。