タイトル: カリフォルニア州立工科大学ハンボルト校の校舎占拠報告
サブタイトル: シーメンス゠ホールの占拠
著者名: CrimethInc.
発行日: 2024年4月
ソース: https://note.com/bakuto_morikawa/n/ne4f5cc5f69a8(2024年4月28日検索)

2024年4月22日、コロンビア大学のガザ連帯テント村や全米各地のデモの弾力性に触発され、カリフォルニア州アルカタのカリフォルニア州立工科大学(カルポリ)ハンボルト校(CPH)の学生がパレスチナ人に連帯して建物を占拠し、地域全体の警察と衝突した。以下の報告で、占拠参加者が、何が起こったのか・何を学んだのかを説明する。

この占拠は、現在行われているパレスチナ連帯学生デモの波が著しく激化していることを示している。地域の組織「ハンボルト゠フォー゠パレスチナ」が発表したように、「これはハンボルト゠フォー゠パレスチナが組織した抗議行動ではなく、CPH学生が組織した有機的運動である。」

一時間に及ぶ睨み合いの末、警察は撤退を余儀なくされた、と地元メディアは報告していた:

午後10時50分、警官全員が建物前から退去し、キャンパスを離れていくようです。警察無線のやり取りによると、警官が現場から離れたと確認された模様です。警官の一人が警官隊は「解散」したと話していました。現在、学生達が占拠した建物を出入りしています。

大学管理者によれば、カルポリ゠ハンボルトは少なくとも明日まで閉鎖される。

近年行われた学生による組織戦術としての建物占拠についてはこちらをご覧いただきたい。

カルポリ゠ハンボルト校占拠の内部報告

4月22日(月)、45人の学生・卒業生・地域住民が、ガザの大量虐殺に直面している人々と連帯して、カリフォルニア州北部沿岸にあるカルポリ゠ハンボルト校のシーメンス゠ホール占拠した。

1時間も経たない内に、校内警察が占拠者と交渉しようとしたが、占拠者は強硬に立ち向かい、建物から出ようとしなかった。その後すぐに、ヘリコプター・K-9(軍用犬)部隊・非番の警官を含め、郡内の全部署から警官が現れた。学生達は警官に群がり、応戦した。

警察は当初大量逮捕を実行する予定だったが、建物内外で衝突が相次ぎ、阻止された。占拠者達は、過去10年間ハンボルト郡の闘争で見られなかったほどの残虐行為を受けながらも、警察の前進を退けた。重要な点だが、警察は警棒と盾を武器に抗議者達を残虐に扱った。警察の手にかかれば、どんな道具も武器になるのだ。

警察は2人を逮捕し、髪の毛を掴んで建物から引きずり出した。別な人は警察によって複数の頭蓋裂傷を負わされ、病院に行き、複数の医療用ホチキスで縫合しなければならなかった。さらに多くの人が頭部に怪我をし、少なくとも1人が脳震盪を起こした。

衝突の最中、警察は群衆に大学のトラックを突っ込み、抗議者達を暴動規制線に押しやった。しかし、この蛮行にもかかわらず、徐々に、警察が学生占拠者の獰猛さと知性に立ち向かう準備を全くしていなかったと明らかになった。警察はシーメンス゠ホールから物理的に撃退され、椅子・机・ゴミ箱・蝶番から外されたドアなど建物内の様々な物で巨大なバリケードが複数築かれた。

警官が占拠された建物を取り巻き、学生・教員・地域住民などの大群衆が警官を取り巻き、「撤退して事態を打開しろ!」「民衆の力だ!強いのは我々だ!」といったシュプレヒコールを挙げた。

6時間の睨み合いの後、警察は荷物をまとめて帰っていった。数百人の学生が建物に殺到し、占拠者達と抱き合って喜んだ。警察による分断は崩壊し、私達は優位に立った。大学は3日間の封鎖を宣言した。私達にとって、これは始まりに過ぎない。


このコミュニケは占拠内部から発せられた。私達が学んだ多くの教訓をお伝えしたい。

1.中庭から、建物の中へ

紛れもなく、この危機をさらに拡大するためには、可能ならいつでも学生は建物を占拠しなければならない。警察は、最初に、占拠者に中庭に出てくるよう指示した。この指示は、授業が行われ、管理者の事務所がある場所の占拠によって私達が最大の力を行使できると示していた。さらに、キャンパス内の建物には、バリケードを構築し、占拠を防衛するために必要な全てが揃っている。

2.作れば、皆が来てくれる

シーメンス゠ホールの占拠には少数の学生で充分だった。恐れず、一歩も引いてはならない。この運動は強い。一見するとどこからともなく、数千とは言わないまでも、数百人が支援に来てくれる。重要だったのは、外部の群衆が警察の注意を分散し、妨害できたことだった。警官隊は自分達が包囲され、どこに向かえばいいか全く分からなくなっていた。誰かがバーベキューを用意し、無料のホットドッグで群衆に燃料補給をしてくれた。

3.パレスチナ支援運動は反警察運動でなければならない

あらゆる場面で、警察は、パレスチナでの大量虐殺の終結を求める人々を躊躇なく残忍に扱う。ガザでは、パレスチナ人がイスラエル軍と対峙している。米国で、私達は警察と対峙する。私達は認めねばならない。これらの勢力は全く同じなのだ。これらは皆、帝国の歩兵なのだ。

4.オルガナイザーよ、聞け!

闘争の条件を決めるためにプロの活動家の許可を待つ必要はない。学生占拠者達は、既存組織の後ろ盾なしに建物を占拠すべく断固として行動した。集団として、私達は行動を実行するために必要なスキル・経験・創造力を持っていると分かった。学生組織は、一連の達成可能な要求から始め、管理者との際限ない交渉に入るよう勧めるものだ。しかし、私達の占拠は6時間にわたり、一つの要求を掲げた。警察はキャンパスから出ていけ。

5.準備しよう

私達の町は若干のんびりしている。私達は自分達が被る警察の弾圧の規模を過小評価していた。ジョージ゠フロイド蜂起から4年。私達はその教訓に耳を傾けねばならない。どんなデモにもゴーグル・ガスマスク・レーザーポインター・盾を持って行くのが最善だ。何気ない外泊がどんな事になるか分からないのだから。