タイトル: 障がいと自治
著者名: Andy Greene
発行日: 2023年8月27日
ソース: https://note.com/bakuto_morikawa/n/nfce9c83b5be6(2023年10月19日検索)

削減に反対する障がい者(Disabled People Against Cuts、DPAC)」のアンディ゠グリーンが、国家弾圧と対峙する上でアナキストと障がい者の利害・行動がどのように合致しているのか述べる。


アナキズムと自立生活という二つの概念は、一見してあまり関係ないと思われるかもしれない。しかし、これを読んでいる多くの人なら個人的経験から分かるだろう。これらには共通の理念がある。自治・自己決定・DIY文化を求める願望である。抗議行動防止法制を変えるという文脈で、これら二つのコミュニティ間の関係は(常にというわけではないが)特に現実味を帯びてくる。

国家は本来的に抑圧的だと思っていない障がい者もいる(私は違う)が、個人は外的諸機構の介入なしに自由に自己決定すべきだと受け入れている障がい者もいる(私がそうだ)。これは、自立生活運動を生み出した中心的政綱と大きく離れてはいない。

自立生活は、障がい者に権能を与え、できる限り自立して生活できるようにしようとする運動である。この運動は、障がい者が自身の生活を自分で管理し、住宅・雇用・医療といった諸問題について自分で選択する権利を持つべきだという考えを推進している。アナキズムも自立生活運動も、政府を健全に無視することを楽しんでいるのだ。

近年、世界中の政府で抗議行動防止法制を可決する傾向が増えている。特に、ここ英国はそうだ。正直に言おう。世間の目にさらされずに本来の姿に戻り、障がい者活動家をボコボコにできなかったから、この国の40余りの警官隊は大混乱に陥ったのだ。

彼等の挑戦は止められない。ジョディ゠マキンタイアに尋ねてみるといい。彼は2011年の学生抗議行動でロンドン警視庁に車椅子から引きずり降ろされた。障がい者活動家に尋ねてみるといい。彼等は雇用年金局の外で車椅子を壊され、肩を怪我させられた。反フラッキング運動の障がい者活動家に尋ねてみるといい。彼等は(毎日のように殴られ、身体検査され、逮捕されるだけでなく)、給付金庁と社会福祉サービスに通報され、移動用の車を失い、警察と他の国家諸機関が結託して隔離させられていた。国家暴力の究極形態だ。

しかし、この統制で充分だと思わない者もいた。ここ数年間、個人やグループが政府の政策・行為に反対する集会を開き、抗議する能力を制限する数多くの法律が可決されている。「警察・犯罪・量刑・裁判所法」とそのどうしようもない子孫「公共秩序法」から、移民と労働組合員を対象とした法律まで--合言葉は統制だ。

どのような反応をするか・どのように表現するか・誰がそれを行うかを決める能力の統制は、集会・言論・表現の自由に対する重大な脅威である。

これらの法律全てが、私達が共有する価値観と信念に対する直接攻撃なのだ。私達のコミュニティは、変革をもたらすために集まり、組織を作る個々人の能力に依拠している。

障がい者と警察ウォッチャーは共に、こうした(そしてその他の)法律に対する抗議行動の先頭に立ってきた。私達は長い間、国家に対する抗議行動に参画してきた。私達は、現政府や将来の政府が権力をさらに強化し、反対意見を弾圧するのを許すつもりはない。

こうしたクソ法律に対して共同で反対すると共に、私達のコミュニティは、直接行動と市民的不服従へのコミットメントも共有している。都市中心部の封鎖にせよ占拠にせよ、私達は、国家権力に挑戦する「と共に」、健常者優先主義思想(エイブリズム)と実践にも挑戦する効果的戦術を見つけている。

アナキスト・障がい者は、相互扶助に長年コミットし、外部の権威や諸機関に頼らず、お互いに直接支援し合ってきた。私達は相互扶助を、国家への依存度が低い、より強固で弾力性のあるコミュニティを構築する方法と見なしている。そして、伝統的支援システム以外の支援システムを提供する方法と見なしている。

パンデミックの最中には出鱈目な議会主導の新型コロナウイルス対策がなされたものの、相互扶助はますます重要になってきている。政府が抗議行動と反対意見を取り締まるにつれ、個々人とグループは再び自分達自身とお互いに頼らざるを得なくなるだろう。

誰も助けに来てくれない。今まで誰も来たことがない。自分達が勝ち取ったもの、それらは全て、鉄鎖と共に、Dロックと共に、炎と共に、多くの場合は血と共に、勝ち取ったのである。ムード音楽は変わるかもしれない。だが、歌は同じままなのだ。

だからこそ、DPAC・アナキスト集団・その他街頭に出ているあらゆるグループは、問題を取り除き、スキルと経験を最大限に活用できる方法で、共に活動するやり方を見つけねばならない。積極的に関与し、お互いの持ち味を認め合い、エネルギーを結集する。私達には分かる。私達にはこれらの法律を実行不可能にするスキル・知識・創造性がある。私達は街路を統制不能にできる。自分達のイメージで再建できるのだから安心だ。

どんな光景になるだろう。スクウォットと広場で会おう!