ブラックローズ・ロサネグラ
UAW一般組合員へのインタビュー
歴史的ストライキの始まり
ここ数週間、自動車メーカー「ビッグ3」(GM・フォード・ステランティス)でストライキが起こる可能性に関する全米自動車労働組合(UAW)の攻撃的なレトリックが増えていた。UAWは、これら3つの企業に勤める約15万人の労働者を代表している。ここ数年で各社とも数十億円の利益を上げてきた。
9月14日(木)夕方の生放送で、UAWのショーン゠フェイン委員長は、ビッグ3各社から選定した複数の工場でUAW労働者が深夜にウォークアウトを実施すると宣言した。この選定された工場でのストライキという戦術は、労働組合が「スタンドアップ゠ストライキ」と呼ぶモデルに従っている。ストライキがエスカレートするにつれて、各UAW支部が「スタンドアップ」するのである。
今年初めに、組合の国際執行委員会(IEB)の選挙があった。フェインは、改革派候補の一人で、僅差で勝利し、委員長に就任した。生放送で、彼は、ストライキの歴史的賭けについて述べていた。「UAWの歴史で初めて、私達はビッグ3すべてに対する一斉ストライキをします」
ストライキ前夜、私達は、非常に短い時間だったが、米国北東部のGM工場で働くベテランUAW一般組合員リンと話をした。
ブラックローズ/ローサネグラ(BRRN):自己紹介をお願いします。どのような仕事をされていますか?
リン(L):リンです。GMで17年間働いています。チームリーダーです。チームリーダーは、ジョブセッターとかジョブセットアップと呼ばれることもあります。私達の仕事は、チームメンバーが確実に仕事を完了できるよう必要な全ての資材と機器の設定を確認することです。ロボットの回復・品質と安全の監査・ちょっとした修理・故障点検など様々あります。私達はチームで、緊密に協力し合っています。肉体的にも精神的にも大変ですよ。重い物を持ち上げたり押したり引いたりして、いつも家に帰ると疲れ切っています。2014年に仕事絡みで手術を受けたことがありますが、椎間板が滑り落ちて、緊急手術が必要でした。その時の神経損傷がまだあって、死ぬまで苦しめられそうですよ。
BRRN:今日はストライキの前日ですが、あなたや同僚の皆さんは現場でどのように感じていますか?
L:妙に静かで、不安と緊張が漂っています。でも、工場の同僚に連絡をすると、誰もが「準備は出来ているよ」と言います。気合が入っていますよ!
BRRN:様々な要求がされていますが、あなたにとって最も重要な要求は何でしょうか?あなたが感じたところで良いのですが、同僚の人達にとってはどれが重要だと思いますか?
L:多分、給料が一番じゃないかな。ほとんどの人が辛うじて生活できている状態だから。給料ギリギリの暮らし。ほとんどの人がボーナスをクレジットカードの借金返済に充てています。一年生き延びるにはそれしかないように思えるからです。
BRRN:前回GM労働者がウォークアウトをしたのは2019年でした。今回と何か違いますか?
L:違うとも同じとも言えます。前回は私達の医療がヤバかった。GMは私達に医療費を負担するよう求めていた。極僅かな昇給を勝ち取ったのですが、不充分だった。敗北を感じながら職場に戻りました。7週間のストライキで、年間3%の昇給と手当の維持を勝ち取ったといったところでしょうか。
BRRN:今年初めに、UAWメンバーは組合の歴史で初めてIEBを直接選挙しました。改革派は「全労働者民主連合(UAWD)」の幹部会と提携し、委員長職を含めたIEBの過半数を掌握しました。この変化によって、組合幹部はもっと攻撃的なレトリックと戦略を取るようになりました。
新しい委員長のショーン゠フェインとIEBの役員は本心から発言しているのでしょうか、それとも、大風呂敷を広げているだけなのでしょうか?
L:まず言っておきますが、私達がIEBに直接投票できるという事実こそ、UAW全組合員にとって莫大な勝利です。私達は組合を壊してきた腐敗を排除した。ただ、全てが組合のせいだとは言えない。明らかに、ビッグ3は組合を潰し、団体交渉力を弱めようとしてきました。みんなこのことを忘れて、嵌められた人達を責めているだけじゃないかな。(組合を非民主的にしておくのは)企業の重要戦略でした、間違いなく。
私は、まだショーン゠フェインについてよく分かりません。「行動は言葉より雄弁」と言うでしょう。だから、私はどんな行動を取るのか見るつもりです。私達は皆、2008年から今までに失ったものを取り戻すため、行動する覚悟があります。私達は、辛うじて水面に浮いている沈没船。だから、口先に意味はない。正直、私は、話をほとんど聞いていません。直接行動が成果をもたらすのです。
BRRN:実際にウォークアウトしたら、UAWに加盟していない人達はあなた方をどのように支援すればいいでしょうか?
L:ピケラインを通り過ぎずに、参加してください。誰かが立ち寄って、ピケラインを強化してくれるのは、いつも励みになります。これが皆さんにできる一番のことです。
前回、お金・小切手・ギフトカードを集会場に送ってくれた人達がいました。でも、寄付を再編する官僚的プロセスのために行き詰って、結局、本当に使いたい人の手に渡りませんでした。同僚の一人が切羽詰まっていた時には、マジで頭に来た。困っている同僚が声を上げれば、私達は皆、その同僚の直面している経済状況がどのようなものであれ、助けるために自分達のお金をプールしなければなりません。私は、お金が集会場に入り、国際地域に出ていくのを直接見ていました。その一部でもあれば、支部の誰かを助けられたかどうかは分かりませんが。金品を送りたいなら、正しいことをすると信じられる人を見つけてください。UAWにお金を送るのだけは止めてください。
ストライキに参加している人を知っているのなら、その人の請求書を支払ってあげていいか直接聞いてみてください。現金を直接渡すだけでも大助かりです。
ストライキ中のUAW組合員に、あなたの支持を率直に伝えてください。