タイトル: 自閉症とアナーキー:自己診断
発行日: 2024年2月29日
ソース: https://note.com/bakuto_morikawa/n/n62313888d110(2024年2月9日検索)

自閉症・ADHDなどの障がいの自己診断は妥当かどうかについて多くの議論があります。私の立場は次のとおりです:自己診断だけが唯一妥当な診断である。

この挑発的な発言で皆さんが関心を持っていただけると幸いです。どういう意味か説明します。

自閉症と診断された私の経験は比較的良いものでした。私はスウェーデンに住んでおり、医療に殆どお金が掛かりません。しかし、世界に圧倒されて私の人生が崖っぷちに向かっていた時、私は当初、双極性障がいと診断されました。これは躁鬱病としても知られています。多くの素晴らしい資格を持つ医師や心理士に聞くと、この診断は間違いだと口をそろえて言われました。

問題は一つありました。私に処方された薬が何の効果もなく、私を害し続けたのです。

だから、私は「無料の」ケアシステムを持つ先進福祉国家にいながら、どこにも行けず、化学の靄の中に沈み込んでいたのです。ようやく全てが好転したのは、私と同じ経験をした人と出会った時でした。「あのね」と彼女は言いました。「自閉症とADHDは、大抵、双極性障がいと間違って診断されるのよ、特に女の子の場合はね」

この時点で絶望は終わり、戦術が始まりました。私は他者の経験に助けてもらい、その経験を自己解放の一部にしたのです。

誰もが私の情況と同じだと思って、このように述べているのではありません。診断がどのように機能し、どのように機能しないのか、基本となる事実を示すために、自分の経験を使っているのです。

第一。医師は間違える。かなり。医師は偏見と規範の枠組み内で仕事をしています。それが医師の思考に影響します。大人しいですか?行儀がいいですか?女性ですか?自閉症の可能性はないですね。研究者の中には、自閉症を「極度の男性脳」障がいと呼ぶ人さえいます。私は女性ではありません。ノンバイナリーなので男性でもありません。だから、私が話した医師達は自閉症の兆候を見つけなかったのです。そして、双極性だと決めつけた途端、見つけるのを止めたのでしょう。リチウムなどの薬をどんどんかき集めていくだけでした。医療は科学に基づいていると言いますが、ここでは帰無仮説を証明しようとはしないのです。

私を救ったのは自分自身の実験でした。自分を自閉症であるかのように自分で処置したのです。圧倒するものを遮断するために濃い色のメガネ・ヘッドフォン・カーテンを使いました。すぐに、エネルギーが戻ってきました。

そして、結局、自閉症のアセスメントを依頼したのですが、診断プロセスは外部の人が想像するよりも自己診断に近いものでした。「普通はXを行いますか?」「普通よりもXXをしますか?」いやぁ、これは驚きです。臨床手順で自分が普通かどうか評価するよう問われるのですよ。このプロセスが上手く行くのは、ケアを求める人が、既に何が「普通」か客観的に理解し、自身の行動データを持っている場合だけでしょう。私の行動は、木が公園のベンチに溶け込むように、年月を経て成長していました。私には自閉症とは何か分からないし、何が「普通」なのかもはや分からなくなりました。言うまでもなく、私は人生を通して孤立していたため、自分と比較する仲間などいなかったのです。

一般的に言って、自閉症やADHDの人が診断を受けるために記入しなければならない書類は全て、足を骨折した人に入院するために庭の壁を飛び越えろと要求しているようなものです。この制度には客観的観察に基づく根拠がなく、自閉症者の経験を理解しないまま、ケアを求める人々に負担を強いています。

私や多くの自閉症者の経験を振り返れば、公的診断プロセスは、自己診断に追加のステップを加えた程度だと分かります。というよりむしろ、スーパーバイズ付きで自己診断を行い、承認印をもらっているようなものです。従って、公的診断と自己診断のギャップは外部の人が思うほど大きくないのです。

同時に、自閉症やADHDのある人達の助けになるような変化を生活に取り入れてみれば、もっと気分が良くなるかもしれません。効果があって気分が良くなるなら、やってみましょう!私は医学研究者ではありません。人間の自由・幸福・解放を望んでいます。だから、あなたが自閉症の粒子を特定しようがしまいが、自己診断と自己対処が助けになるのならば、実行してみてください。

レッテルが何であろうと、大切なのは結果です。自己診断は悪い結果につながりかねないという反論もあります。もちろんです。私が自分を双極性障がいだと自己診断して、古いサムスンのモバイルバッテリーから取り出したリチウムを飲んだらどうなるか分かるでしょう。しかし、自閉症の自己診断は違います。

私達は教師として、「特別なニーズ」を持つ子供達に利用しやすいように作られた教室は、大抵、誰にとっても好ましい教室になると教えられています。分かりやすい構造・静かな環境・明るすぎない光・図形を使ったより良い視覚的サポート・明瞭なテキスト。まるで昔のマンガのよう。「全部でっち上げで、無駄により良い世界を作っているとしたら?」そうなのです。あなたが本当は自閉症ではなく、無駄なストレスもなく、無駄に燃え尽きなくても良い世界を作っているだけだとしたらどうでしょう。

同時に、医療制度やヘルスケアから得られる支援も重要です。求職活動などをする際に公的診断を持っていることで得られる支援も重要です。しかし、それは単に社会的支援が良いものであり、他者から支援された方がより良い決定をでき、より安心できると示しているだけのことです。

次の記事でお伝えしますが、自己診断とは実際にはコミュニティ診断なのです。