タイトル: ロサンジェルス借家人同盟、100支部に向けて
発行日: 2021年
ソース: https://note.com/bakuto_morikawa/n/n75fabd342383(2023年6月17日検索
備考: 訳註:neighborhood council の訳語については、大内田鶴子著大内田鶴子著「シアトル市のネイバーフッド議会、ディストリクト・カウンシル、コミュニティ会議の研究」を参照した(bakuto morikawaより)

LATU(ロサンジェルス借家人同盟)は、喫緊のニーズ・勢力構築・ロサンジェルス居住者の政治意識変革に取り組むことで、家賃のない未来に突き進んでいる。

この小論は、ロサンジェルス借家人同盟のメディア委員会メンバーが執筆した。全ての写真はロサンジェルス借家人同盟の好意による。


2017年、ロサンジェルスの有名なマリアッチ広場周辺の借家人は、突然で大幅な、しかも法律で認められている家賃の値上げを知らされた。家主は、長年住んでいたコミュニティ゠メンバーを--その中には、この広場の名前になったミュージシャン達もいた--立ち退かせ、所有している建物を、新たにやってきた人の人気スポットに再生しようとしたのである。ロサンジェルス借家人同盟(Los Angeles Tenants Union / El Sindicato de Inquilinxs de Los Ángeles、LATU)組織者の助けを得て、住民達はマリアッチ借家人組合を作り、家賃を支払わないことにした。

マリアッチ借家人組合は、家賃不払いストライキについて全市規模のメディア゠キャンペーンを行い、家主が住んでいる金持ち地区で抗議行動を行い、家主が交渉に応じるまで9カ月間断固として家賃を支払わなかった。最終的に、彼等は団交合意を勝ち取った。ストライキ中の滞納分家賃は全て支払わなくてもよくなり、家賃のとてつもなく高い値上げは元の水準に戻り、借家人が再交渉する権利を確保した。借家人達は、政府の介入を待っていられなかったし、実際に待たなかった。彼等は、家賃引き上げを違法にしている州の家賃規制に匹敵する保護を手に入れた。自分達の力を強固にすることで、彼等は自分達の要求を自分達自身で勝ち取ったのである。

これは借家人権力を裏付けている。自分達自身と近所の人々で組織を作り、借家人としての集団的力を手に入れることで、私達は、搾取的生活諸条件に介入し、それらを変換できる。借家人権力こそが、不動産と国家の同盟に反撃できるようにする唯一の手段なのだ。私達を資本主義住宅システムに陥れているのは、不動産と国家である。

政治家は、どのような政治スペクトルにいようとも、不動産投機の狂乱を財政的に支援し、永続的危機に完全に満足すると証明されている。そのおかげで、借家人は生活条件の低下・立ち退き・とどまるところを知らない家賃高騰を経験する。いかさま政治プロセスに参加しようと席を求めてがなり立てたり、無視できる「声」を上げたりするのではなく、借家人権力こそが必要なのだ。選挙・計画立案ヒアリング・パブリックコメントといった規定の参加形式に疲れ果てているなら、借家人は認識しなければならない。自分達のエネルギーを費やして、政治家にパンくずやバンドエイドを求めたところで、自分達の権力を政治家に委ねるだけなのだ。

新型コロナウイルスのパンデミックの間中、国家は一歩も譲らず、家主が受動的所得を得る権利を維持し続けている。借家人の身体的・精神的健康や金銭的保証、そして多くの場合、生命さえも犠牲になっている。一方、LATUはエンパワメント・相互扶助・政治変革の生き生きとした場になっている。資本主義による強制退去に対する闘争で団結しながら、LATUメンバーは、新たな社会的・市民的生活形態を生み出し、相互扶助とコミュニティ防衛という社会基盤を通じて二重権力を構築している。私達は闘いながら、コミュニティ--多言語・多民族・多世代の--を創造し、自分達が必要とする世界を構築しているのである。

LATUとは?

LATUは、ジェントリフィケーション(利潤のために貧困者を立ち退かせる国家公認プロジェクトであり、植民地主義と奴隷制という人種差別の遺産を維持している)と闘うべく2015年に創設された。LATUは借家人運動であり、住宅運動ではない。資本主義の発展が従属させているのは、民衆であって、建物ではないからだ。私達の活動の中心は借家人のニーズと夢である。自宅を所有・管理していない人なら誰でも借家人であり、そこには、家賃を払っている人、家族と一緒に生活している人、補助を受けて公営住宅やシニア住宅に住んでいる借家人、寮に住んでいる学生、拘留中の人、住居のない人が含まれる。

LATUは、大部分のいわゆる住宅正義組織とは違う。こうした組織はサービスモデルや権利擁護モデルで活動し、財団法人や政府機関から資金を受け、多くの場合、紐付きである。例えば、金持ちの「南カリフォルニア大学」から寄付をもらうために、ある領域の非営利団体は、この学校に対する抗議を禁じる命令に合意している。

サービス組織は、借家人に問題解決方法をアドバイスする際、有給の専門家に頼る。問題解決は、所定の手段の範囲内で、とりわけ法制度と裁判所で、借家人が個人として行う。ここで、借家人は、政治的主題ではなく、援助の消費者となる。同様に、権利擁護組織は、借家人ではなく為政者を社会変革の主体として扱う。借家人に働き掛けて嘆願書に署名させ、象徴的な集会に参加させるが、権利擁護グループは組織するのではなく、動員する。権利擁護は、家主と借家人との根本的な階級闘争を、対等な当事者同士間の表面的「ディベート」へと平板化する。それぞれの利益は、法的に譲歩しなければならなくなる。

こうしたサービス活動や権利擁護とは逆に、LATUは、家賃不払いスト・相互扶助・立ち退き阻止といった集団的行動戦術を行使しながら、地道な組織作りを通じて借家人権力を推進する。借家人組合・地方支部・同盟そのものといった長期的代替機関を構築することで、私達は、現行の住宅支配システムを打倒し、コミュニティによる管理を目指している。

私達の活動は予示的かつ実践的である。パンデミックの最中、メンバーは定期的な食料配給センターを複数立ち上げた--その内の一つは、一週間に約160の家族に食料提供している。多数のLATU立ち退き阻止行動は、借家人がここ1年間自宅に居続けられるようにし、立ち退きのない世界を予示した。家賃不払いストを組織し、家主と交渉して新型コロナウイルスによる滞納家賃の免除を強く求めながら、お互いに支援し合うことで、私達は家賃のない世界を生み出している。

地元のLATU支部の会合に初めて来る借家人は、大抵は恐怖を--立ち退き・嫌がらせ・国外送還の恐怖、そして主要借家人・家主・警官による暴力の恐怖を--感じている。同盟に参加したばかりの借家人は、住宅の酷い状態と自分が家賃を支払えない状態に、いつも恥ずかしさを感じている。

同盟で既に積極的に活動している借家人は、新しいメンバーに直接ケースワークを行い、闘うためにどのような戦略があるのか理解できるようにする。そして、そのメンバーを支援して近所の人々を組織し、自分達に特有の闘争を万人の闘争に結び付けながら、個々の個人的闘争からもっと大きな運動への架け橋となっている。

同盟は教育の場である。借家人が自分達の権利について教育し合い、集団的行動・職場の組織化・拡大戦略の可能性とリスクを論じ、幅広い借家人闘争について共同で学ぶ。暴力的家主からどのように身を守るのか?法的通知書にどのように反応すべきなのか?ストライキに参加するよう近所の人達にどのように話すのが一番良いのか?家から追い出された借家人のニーズを満たすために同盟をどのように方向づけるのか?そもそも家賃って何だ?

同盟は民主的空間でもある。借家人は、自分達の住宅組合の中で意思決定権力を行使する。要望書に何を含めるのか、家賃をいつ支払わないのかといったことを決めるのである。彼等は、グループとして何を優先するのか、イベントをどのように組み立てれば一番良いのかといった自分達の地方支部の活動を集団的に決定する。自分達の建物では、組織化に対する報復に備えてどのような措置を講じるべきなのか?支部の分配用食料を今週は誰が取りに行くのか?次の抗議行動のテーマに合意できるのか?来週は何を議論すべきなのか?

LATUの場所型組織作りは、ボトムアップで権力を構築する。共同活動に取り組んでいるそれぞれの建物の入居者が借家人組合を組織し、地元町内(ネイバーフッド)支部に参加する。現在、16の地元支部が、市全体の同盟へと連合している。これが、新しい支部を設立する基盤となり、メディア゠キャンペーン・新メンバーへのオリエンテーション・連帯イベントといった同盟を横断する戦略を持続させる。

メンバー数が増えるにつれ、私達はさらに多くの地元支部を組織し、町内に私達の活動を根付かせている。借家人がそうした活動を作り上げ・方向づけ・活気を与えているのである。私達は、この都市全体に100の地元支部を作ろうと取り組んでいる。資本主義の発展により脅威にさらされ、破壊されている社会的絆を再構築するのである。

さらなる危機:新型コロナウイルス

2020年4月、借家人の家庭は、屋内避難命令・休業・不確実な未来という現実に直面した。UCLAによれば、5月時点で、ロサンジェルスの50万もの借家人世帯が立ち退きの危機にあった。緊急事態の規模が明らかになると、LATUは「フード゠ノット゠レント(賃料ではなく食料を)」の方針を明言し、家主の利益よりも必需品を優先すべく家賃を支払わないことにした。

新型コロナウイルス危機の最中、連邦政府は最低限の借家人支援しか行っていない。失業保険は、不法滞在者だけでなく、インフォーマル経済に従事している人々も差別している。家賃支払の一部を支援するために、家計調査に基づいた抽選が充分な財源もなく行われているものの、これは家主への助成であって、困窮している借家人は助成されない。

カリフォルニア州の民主党政治家と非営利団体も、米国連邦政府による骨抜き対策と同様の措置を取っている。8月、カリフォルニア州は、立ち退き裁判で借家人を法的に保護する法律を可決したものの、これは立ち退きの申請や執行を止めるためには役に立たない。1月、州は、地方自治体がもっと厳格な法規を可決できないようにする法律を制定し、家主に新たな勝利をもたらした。

現在のカリフォルニア州法は、滞納家賃について最大80%まで融資するから補助金申請をせよと借家人に押し付けている。その一方で、家主には、こうした資金を拒否する一方的な権限を認めている。州政府に補助金申請者の滞納家賃の20%を免除する意思があるということは、滞納家賃を取り消す力を実際に持っているものの、そうしようとはしていないということの証明である。家賃負債の免除は法的見地の問題ではなく、政治的意志の問題なのだ。

こうした新しい法律では立ち退きを止められない。非合法の締め出し・脅迫キャンペーン・自主的立ち退きからも、住宅に住み続けるために裁判に訴えるという長期に渡る恐るべきプロセスからも、借家人を守ってくれない。借家人が通告に反応しなかった場合、法的保護があろうとなかろうと、略式判決によって立ち退かされてしまう。裁判を行えた人々にしても、ほとんどの人に法的な代理権がないため、自分で訴訟内容を証明しなければならず、大抵負けてしまう。それ以上に、こうした法律は、家賃の取り消しも、滞納家賃の免除もしないのだ。むしろ、公的資金を私的な家主に移動させたり、滞納家賃を消費者債務に転換したりする。それによって、家主は我々を訴え、破産させ、信用を台無しにできるのである。

パンデミックの最中、LATUの規模は2倍になった。今やメンバーは数千人を誇る。その多くが昨年家賃不払いストライキを行った。今、ストライキ14カ月目に突入している人達もいる。LATUの中心的要求は不変である。家賃を取り消し、あらゆる滞納家賃を免除し、公式であれ私的であれ立ち退きを止めるのである。

LATUは数千人の借家人が個々の苦悩から抜け出し、運動に参加する手助けをしてきた。借家人組合の中で、団体交渉によって家賃を取り消させ、借家人が受け取る支援を認めるよう家主に圧力を掛ける道筋として、家賃不払いストライキは確固たる手段になっている。一方、私達の一貫した立ち退き阻止行動は、賃借権を止める正式な裁判手続きだけでなく、私的な締め出しにも介入している--どちらも警察に援助され、執行されているのだ。

私達は、人々が自宅に居続けられるよう即座に動員できる能力を構築してきた。借家人が、住むのに適した安全な住宅に戻れるように、緊急の配管工事と大工仕事を行ってもいる。私達の地元集会とアウトリーチ活動は、自主的立ち退きをしないよう人々を支援している。こうした人々は、私達の活動がなければ、恐怖から引っ越すことになっていただろう。私達の「賃料ではなく食料を」キャンペーンは、食料を配布し、生活必需品のために総額10万ドルの資金を集めた。

安全で安定した住宅こそ、新型コロナウイルス危機全体で唯一の効果的処方箋である。政治家と資本主義住宅システムではこのニーズを満たせない以上、今もなお、理に適った道は自主組織しかない。

二重権力の枠組み?

ロサンジェルス住民の60%以上が借家人である。しかし、この都市の歴史上、市長や市議会議員は皆、自宅所有者だった。多くの市会議員は家主である。つまり、彼等の利益は、彼等が代表している大多数と直に対立しているのである。議員が不動産の賄賂を受け取って捕まるスキャンダルは毎年ある。ロサンジェルスには99のネイバーフッド議会があり、借家人も時折出席しているが、こうした議会は拒否権の発動も、新たな法律の提起も、いかなる計画決定への介入もできない。事実上、こうした協議会は、何の権限もない参加という回し車なのだ。

逆に、LATUの資金構造は会費に基づいている。そのため、私達は篤志家と政府の利権から独立できている。一般メンバーだけの同盟が慈善事業と非営利事業の外で社会基盤を創り出している。私達はサービスを提供する有給の専門家ではない。組織を作り、自分達に必要な解決策を想像し・要求し・実行する自立したエキスパートとなるべく、お互いをエンパワメントし合う同志なのだ。

設立から5年しか経っていないが、LATUはロサンジェルスの借家人の政治意識を変革し始めている。私達は互いに示し合っている。私達の集団的力は、抑圧者の力と置き換わる見込みがあるのだ。私達の活動は、二重権力の枠組みで考えれば理解しやすい。これは、労働者階級による自己決定諸機関の創造を資本主義秩序の破壊と繋げる政治プロジェクトである。

二重権力は、1851年にプルードンが理論化し、1917年のソヴィエト労働者評議会形成中にレーニンが目撃した。二重権力は緊張状態を創り出す。そこでは労働者階級の諸機関が、資本主義諸機関と並行して存在し、正当性を巡って争う。米国の黒人社会主義者の言葉で言えば、二重権力は「旧世界を時代遅れにできる新世界を打ち立てる」という意味である。

今日、二重権力は、現在において着実に情況を好転させつつ、反資本主義組織が時間を掛けて達成できることについて一つの戦略的地平を示している。このようにして、借家人組合・地元支部・同盟全体は、家賃のない住宅・自主管理型の安全なコミュニティ・コミュニティによる公的資源と公的空間の管理という未来へ向けた種を蒔いているのである。

二重権力は、私達を抑圧する構造--私達のニーズを代表できない代議制民主主義を含む--から独立して構築しなければならない。だから、LATUには指導部のポジションはなく、内部での選挙もないのだ。私達の会議は、議会型のロバート議事規則ではなく、柔軟なコミュニティ合意を通じて作られる。メンバーが組織全体を変革できるのである。実際、複数の地元支部が委員会を作る・委員会を解散する・新しい公約を作るといったように、激変がこれまでも何度かあった。

二重権力は、地道な基盤作りが必要である。私達は、危機にある借家人を借家人組織者に変え、組織スキルを共有し、同じことを行ってくれる指導者を増やさねばならない。最終的に、二重権力には規模が必要となる。地元に根差したプロジェクトだけでは地球規模の権力構造に挑戦できない。そのため、LATUの地元支部は皆、都市全体の同盟に参加している。丁度、私達の同盟が、米国とカナダにわたる借家人同盟連合「自立的借家人同盟ネットワーク(ATUN)」に参加しているのと同じである。ATUNタウンホールを通じて、私達は、市の立ち退き裁判を首尾よく中断させたニューオリンズの組織者達から学び、私達のメンバーは立ち退き阻止行動の組織方法を他の参加者に教えた。

もちろん、二重権力モデルには多くの課題がある。民主的で教育的なプロセスには熟考・対話・討論の時間が必要となる。そうしている間にも、借家の危機は悪くなる一方である。LATUが社会変革の機関になろうとするなら、借家人のグループがその要求を勝ち取った後も長く続く関係を維持しなければならない。そして、地理的・言語的・人種的分断を超えて連帯を維持しなければならない。分権型水平構造では、同盟規模で内部の政策と戦略を決定するのも、それを維持するのも難しい。

さらに、国家による多種多様な弾圧戦術--FBIは私達の活動を「反発展アナキストの過激主義」だとレッテル貼りし、メンバーを報復的に逮捕したり、食料配布拠点と市民スペースを破壊したりしている――に直面していても、私達は今のところ国家から完全に独立して活動できていない。国家権力と法律を--屈することなく--戦略的に活用しなければならないと認めねばならない。国家資源の再分配を強く要求し、その抑圧的諸機関を廃絶し、もっと多くの権利を要求する権利を行使するのである。

借家人権力が私達の活動の手段かつ目的なのと同様、二重権力は、長期的戦略かつ日常実践である。修繕を勝ち取り、家賃引き上げを拒否し、立ち退きに抵抗するという私達の短期目標は、借家人権力が今日何を勝ち取ることができるのかを示している。同時に、こうした勝利は、借家人搾取のない未来への道を開く。個々の借家人の勝利と共に、私達は自分達の力を拡大し、自分達の戦略を洗練し、可能性の地平を拡大するのである。

「借家人革命の種子」

2021年2月、この都市中のLATUメンバーが、第5回年次総会「借家人革命の種子」にオンラインで集まった。総会が開催された週末、私達は昨年の教訓を共有し、この運動の歴史について集団的理解を深めた。同時に、私達は、メンバーによる相互インタビュー記録を聞き、議論し、支部がそれぞれ最も有意義だったプロジェクトを紹介し、同盟全体でその年の課題を検討した。

メンバーから、市役所のネイバーフッド議会の二つを上手く奪取したものの、弾圧されてしまったという話があった--支配システムは社会変革を阻止するように作られているのだ。メンバーの多くが家主と主要借家人のせいで被っている暴力は私達に教えている。私達が安全になるには、搾取システム内で認められている権利を主張するだけでは絶対に不充分なのだ。

私達は、戦闘的立ち退き阻止を行った最初の年を振り返り、同盟で初めての複数建物借家人評議会を称賛した。この評議会は、8つの建物の借家人で構成され、一人の共通の家主に対して組織を作ったのである。最後に、私達は、日常生活を政治化する運動として勝利をどのように定義するか--家主に修繕を行わせるという意味なのか、コミュニティを作るという意味なのか、意識変革を起こすという意味なのか--再考した。

話し合い全体で、一つのことがはっきりした。借家人革命は投票用紙に現われるようなものではないのだ。そんなものを私達は待ち望んでいない--私達の同盟は、借家人間の連帯を構築するたびに借家人革命をもたらす。私達は、より多くの地元支部を作り、毎月家賃を支払うという儀式の正当性を認めず、借家人が主導する諸機関を創造する。

ここ1年にわたるパンデミックで、民主党政治家と非営利団体の連合は、危機に対する勝利を宣言したがっている。だが、危機は解決していない。その間、LATUは借家人権力構築の戦略を確認してきた。立ち退き阻止・家賃不払いストライキ・相互扶助・民主的で教育的なスペースの増殖である。この都市だけでなくあらゆる場所の借家人は、近所の人々と共に参加し、借家人権力に着手し、組織を作ってほしい。搾取と立ち退きのない未来に、借家人の尊厳・自決・借家人権力が統治する未来に向けて。


ロサンジェルス借家人同盟は、人間の居住権を求めて闘うメンバー中心の自立的運動である。その使命は、相互扶助と直接行動を通じて借家人の政治権力を強めることである。